アートカタログ・ライブラリー開設にあたって

(財)国際文化交流推進協会 理事長
鹿取 泰衛



 当協会は、このたび文化情報の提供の一環として、東京、赤坂のアーク森ビル3階の一隅に「アートカタログ・ライブラリー」を開設いたしました。 このライブラリーは、美術館・デパート・画廊等で開催される展覧会のカタログ、および美術館の収蔵品カタログを網羅的に収集し、関係機関・研究者・美術愛好家等の利用に供するために設立された、美術カタログ専門のライブラリーです。

 当ライブラリーが開設される背景となったのは、米国の日本美術研究者の間から日本の近・現代美術に関する情報不足を改善するために、日本美術のカタログを網羅的に収集することを希望してきたことにあります。これに対して、米国側は、NCC(全米日本研究図書館調整委員会)を窓口とし、日本側は当協会と国際交流基金が共同で、日本で開催される展覧会のカタログを2部づつ収集し1部を米国に継続的に寄贈し、他の1部は日本側で活用するという「日本美術カタログ・プロジェクト(JACプロジェクト)」が始まりました。

 米国側のカタログの受入機関は、この程NCCを通じてスミソニアン研究所のフリーア美術館(在ワシントンD.C.)に決まり、既に7月末に日本から第1便として約1200冊のカタログが送付されました。
 日本側は、当協会がアートカタログ・ライブラリーを開設し、他の1部を保管し、閲覧に供するほかに、これらの書誌情報をデータベース化してインターネット上で提供していきます。

 展覧会のカタログは、その展覧会の開催を機に集められた作品のデータ・図版・関連文献や参考文献・年表等を含んだ大変貴重な資料とされていますが、通常の出版流通ルートにのっていないために入手がなかなか困難な状況にあるようです。このような事情のもとで、米国では寄贈された美術カタログが、フリーア美術館を通じて全米規模の利用および情報流通を可能にしてくれることになります。

 また、当アートカタログ・ライブラリーの開設は、本格的なカタログ専門図書館としては日本で初めてのことであり、欧米の関係者の注目を集めております。米国で開催される日本美術展のカタログを集めて当ライブラリーのコレクションに協力しようという提案も、米側でなされています。当ライブラリーが、今後国内外資料を収集し、重要な資料の宝庫となるとともに、美術展覧会の情報交流の拠点として美術研究・美術交流の促進に寄与できることを目指していく所存です。

 本プロジェクトの実施につきましては、約200近い美術館・デパート・新聞社等の機関から、カタログ等の資料をご提供いただきました。資金的には、本プロジェクトは企業メセナ協議会の認定をいただき、企業をはじめ助成財団からの多大なご支援を賜りました。この場をお借りして関係機関およびそのご担当の方々に、心から御礼申し上げます。
 今後とも一層のご協力をお願い申し上げます。



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